奥底

に秘めながらも、知性がにじみ出るという姿が素晴らしい。最近、粗雑になりがちだけれど。
そういうことを考えるときにいつも、小学生の頃の国語の教科書に載っていた、桜の木の話を思い出す。春の季節、花の蕾をつけた桜は、その花の部分だけでなく、目には見えない樹液の一滴までもがピンク色に染まっているということ。美しい桜色に染められた着物は、桜の花の色ではなく、樹液の色だったのだ。
表面にごくわずかに現れたその華々しい美しさの水面下で、たくさんの努力や勉強がつまれている。そのたくさんの素養があって初めて、わずかなものが花開くのだ。潜在的に知識を積むこと、実践を積むこと、その大切さを教えてくれている。