早め

に家路に着いたのに、立ち寄った本屋でいつまでも立ち読み。
ドキュメンタリーとも言える、個々人の半生をインタビュアーが聞き出し、書き出した文庫本。中身は春を売る産業に携わっている女性達。
そこに入る前から彼女達自身の抱えている傷はとても大きくて。それを上手いこと怒りや何やらに吐き出すことは出来なくて、必要以上に自分を傷つけてみせたり他人を傷つけてみせたりする。
思うのは、やはり女性は感情の生き物だということ。そしてその感情を素直に表現できるのは、本当にごく限られた人に対してだということ。肌が合う合わないという感覚はとても重要で、そこを履き違えると、自分の感覚をなくして、虚しさは増すばかり。
どれだけ桁違いの経験があったとしても、本当にこの人が好きだと思う人が現れたときに、自分のそれまでの経験を悔やんだり、もうその人以外に触られたくないという思いが出てくるのが興味深い。このあたりが、してはいけないということへの答えか。
多少の虐待関係の本を読んだりはしているが、それにしても性的虐待の与える精神的な苦痛への根の深さが悔しいくらいに切ない。押さえ切れようも無い自虐性という暴力を想像したときに、なんとも言えなくなってしまう。その感覚、男性に想像できるだろうか。