っぱらから手持ちの数少ない漫画を読み返す(昔は相当数所有していたがほとんどを売り払った)。
24年も前に連載された王道的少女漫画。
漫画なんて、と言われて蔑まれたりもし、しかし漫画で育った世代が成長して大人になり、大人の間での漫画も都会では割合普通になったりもしつつある今。その一方今までは少女漫画として位置していた雑誌が過激な性描写を描き出して、その他の要因も混じり性的なことが低年齢化し、そしてまた軽く扱われているとも言われている今。
確かに最近描かれている漫画の中にはそういう短絡的に性的関係を持つこと、そういう関係でありながら心はどこか虚しいままという恋人同士が多い。
読み返した昔の漫画は性的描写なんてほとんど描かれてはいないけれど、けれどヒーローとヒロインの2人や、2人を取り巻く周囲の友達、そして何よりも彼ら2人の人間的な魅力がふんだんに描かれている(その当時に流行だったであろう超人的才能というものなんかを抜きにしても)。あの初々しい恋愛に対する感情とか、なんだそれだけでも素晴らしい作品にすることはできるのね、と改めて思った。むしろ、そういう過程を経ていくこと、その真っ正直な心のぶつかりあいが結構羨ましかったりして。