朝早く

から家を空けて、日中はずっと外で過ごし、ライブを見た後に、いつもの店に行ったときはひどく眠くて、隣にたまたま知り合いがいたのにカウンターに突っ伏していた。
ライブ、SAICO三上ちさこ。以前の夏、下北での2人の対バンはその後に入れていた予定のために、先にあった三上ちさこだけを見てお暇。今回マジマジと見たSAICOの印象は、またそのときとは違って、もっと入って行きやすい感じがした。彼女自身、遥か昔から比べたら変わったとは言っていたが。何にせよ、プロというものは何がしかに形で観客を意識するのが大事なのだろうな。単なる自分勝手の垂れ流しではいけないような。
三上ちさこは歌っていくたびに表情が変わっていって。歌うたびにあの人は若返っているのではないかと思った。いつまでも少女のようで、歌いこんでいくほどに表情に艶を増していく。
fra-foa時代の曲を大半やってくれて、今回はノリノリの曲セレクトが多くて、そのときには観客もかなりノリノリ。はからずも『blind star』をやってくれたとき、スタジオセッションで相当歌ったせいか、最初のギターのイントロでまだ他の観客がノッてないにも関わらず、相当体が反応した。
個人的にはギターの音のずれが相当気になって、半ば彼女の歌を受け止め切れていないとまで思っていたのだけれど、後ろで見ていた知り合いがでもそういうギターの演奏者が好きなのだと言っていたので、あまり言うのを辞めた。知り合いはギターをやっているからまたそういう見方なのだろうし、私は三上ちさこに注目してしまうから、そういう見方なのだ。別にそのままfra-foa通りにやらなくったって、いいところはいいと思う。彼らバックはfra-foaではないのだし。
fra-foa時代の1stからソロの2枚目まで。随所に入れられたその音楽に彼女の思いが少しずつ変わってきたことを思った。昼間にカラオケでYUKIの『歓びの種』を歌ったときにも、YUKIが詩に描いた世界の言葉だけでは計り知れない世界を少し感じられた気がして、また彼女のその悟りにふと気付いて感激したものだけれど、三上ちさこも同じよに2ndアルバムの世界ではよりその世界観を増していると思う。バンド時代の孤独であった思い、それが2人称になり、ソロでは全てのものを包み込む。女性の持つ包容力を余すことなく感じさせる。
わかっていたことだけれど改めてそれを感じたライブでもあった。