友達

の厚意に甘えて、イマドキは物珍しいマニュアルを運転させてもらって、思いつきで昔自分が少しだけ住んだ街に行ってみた。
1年半ほどでは大して変わってない。懐かしいなんて感情よりも、今自分はまだここに住んでいるような、そんな錯覚に陥るくらい。前に住んでいた部屋には当然新しい誰かが住んでいた。私の隣の駐車スペースの車は変わっていなかった。相変わらず、自転車も歩行者もいなくて、車ばかりが走っている。
高速に乗ってわずか数十分もしないほどにもといたところに戻ってきた。本当に関東はちっちゃい。
そうしたら、もう東京っ子のモードに戻って、あの街に暮らしていた記憶も忘れそうになる。
行った先々の風景が自分のものになる。この間の京都でもそうだったけれど、どの街でも自分は溶け込めそうで、けれどもの思う自分がいる。そんな気がする。