怒涛

に電話の鳴る月曜日。土日の間にたまりまくった書類。
女は2つのことを同時並行に出来ると言うけれど、私はそんな器用なものは持ち合わせていないらしく、たいてい電話の向こう、意識しなければ手が止まっている。
断片的なキーワードだけで、きちんとお互い連想ゲームが出来る、そういうこともあるけれど(ある程度の型にはめていく仕事上、自分の記憶と照らし合わせれば、むしろそっちのほうが多いが)、中にはそういうピントが合わない人がいて、そういう連想ゲームがとにかく苦手な人もいる。そういう人との話は誰しも苦手で、お互いが何を求めているのかわからない状態になってしまう。
面倒くさくても、はいはいと半分流し、共感の相槌を打ちながら聴いていたら、相手の感情が落ち着いてきた。お互い元のゆっくりと和やかな声の調子に戻った。
相手の性格に、まだ小さな子供の頃の状態を想像した。一方的に話をまくしたててしまうこととか、聞き手が理解してくれないとか。きっとそういうことを何度も繰り返してきたろう。極度に恐怖を感じ、それを相手に理解しづらい形でわかってくれと訴える姿に、誰かもっとゆったりと包んで褒めてあげる人がいたらよかったのに、と思った。
いいのさ、踏み込まれる範囲がわかっている間柄ならば後腐れもない。面倒くさいと思ったって、最後に人間的愛嬌があればたいていは笑い話。頼られるのも悪くないし。
まぁ、連想ゲームが心地よい分、糸をちゃんとほぐしながらゆっくりと話して欲しいけどね。
ちょっと難しそうな人でも一度そういう回路を作れば、後はお互いの心地よいやりとりがあるんだけど、なかなか難しい人もいるもんだね。