本当

に打ち解けられるのは同期だけなんだよ、と2年ほど前に1つ上の先輩は言った。
人間関係において年齢は重視せず、むしろ同世代のかたまりが苦手だった私はふぅんと聞いていた。
マトモに仕事をしているという実感をもてる環境にあってからは、ずっと同期は周囲にいない。だから誰かにべったりもない。
上か下か。でもそれも全て仮面みたいなもんで、みんな物事を円滑に運ぶためにおのおの演技をしている。本当はきっと、上だから偉いとかそういうのではなく(まぁ偉いんだけど)、定められた役割なのだ。偉いからといって上が下をこなせるわけではない。
けれど、でもやっぱり仕事という土俵にいたときにわずかなその差異を敏感に感じ取ることも多い。些細な時間、たとえば気を抜いたときなど。ほんの少し弱音を吐ける相手。若干の悪ふざけ。そういうときにしがらみがないという立ち居地が必要なんだって。
周囲の人が仕事上の人間関係に思っていること。それら少し見てきて、今は先輩の言葉が少しわかる。距離を置いてきた同期たちとの関係も、今ならもう少しだけ発展させてもいいかなと思える。
そして退職した先輩は、今ならばしがらみがなくなったと、もし会う機会があれば昔より打ち解けてくれるのだろうか?
人間関係、上下、くだらないようでもでもやっぱりそれらを気にして、日々動いているんだ。だから今日もいつものように、あちらこちらで上司へのささやかな皮肉や批判がとびかったりするんだ。