湿気

を感じずにはいられない日。
本格的な陽射しの暑さはもうすぐ。
思いもかけず昼間の街を歩く瞬間。湿気でうだる街で見慣れた顔を観た。
夏を感じるとどうして人は子供の頃を思い出すのだろう。他の季節以上に。
日傘をさして歩く道すがらそんなことをふと思い出していた。ここで喚起される共感性とは?
家の白い壁に映し出される夕方の光を見た時。ぼーっと歩いている時。この瞬間が私は好きで、この現実から離れた中でもっと長い事のんびりしていたいと思った。
光の世界。
家の近所の神社では子供達が水筒を持って遊んでいた。
お参りに訪れた人たち。
さわさわと揺られる木の音。
その空間を出たときに初めて異空間みたいなものだったと気付く。
電車の音を聴く。踏切で待つ。
スーパーで買い物をして帰ろう。たまには自転車にも乗って。