真夜中

にDVD鑑賞。この今だから本当はもっと前に見たかったのだけれど、以前はすべて借りられていたので。

もののけ姫 [DVD]

もののけ姫 [DVD]

自然と調和した縄文時代のような暮らしのアシタカの国。西国はまるで戦国時代のよう。太古の時代さながらの手つかずの神秘の森に暮らすサン。たたらは古い時代からあったけれども、鉄は人間中心の文明の象徴ととれるかな。ましてや火を使っているから。
西国は自然への畏敬の念も無くなって、けれど妙な人間の恐れや不安の感情ばかりがある。時代が下って自然と離れてしまうとそんなものなのかしら?調和を知りつつましく暮らし、自然への感覚も強いアシタカが非常にたのもしい。
エボシ様は非常にリアリストだと感じた。悪役的な描かれ方もするが、彼女の優しさ・愛情はとても深い。けれど、それが人間に対する部分だけで終わっているのがもったいない。
神に対して物質的な死だけでもって立ち向かおうとするのは、次元が違う話だなと感じた。人間の物質とは違うもので構成されているのかもしれないのに。そして神の死の先に何を築こうとしたのだろう。神の死による影響を考えなかったのか?それは人間の浅はかさだと思う。
たたらの村が生かされたのは、そこではたらく女性達の力のおかげかしら?シンプルに生に向かい全うするような。
この映画で一貫して感じられたのは人間の思い上がりだけでは生きていけない、調和して生きていく事。それはこの今の世の中、ますます重要なテーマだなと思う。