薄々

と自分の中で年とともに変わる価値観があるのも感じていた。昔は見出せなかったことに楽しみを見出していること。これが大人になるってことかしら。
たとえば何気ない田舎の風景を、昔は面白味も何もないと思っていたけれど、文化はただ都会だけにあるってものでもないかもしれないと感じられた。田園風景が広がっているということは人の手がくまなく入っているということで、それは1つの生活の形態に過ぎないのだ。
本当に美しいものは人工物ではなくて自然なのかもしれない。芸術なんていって人の頭でこねくり回したものとは違うかもしれない。美というやつは。
そのものを見たときにどれほどのストーリーを感じられるか。そのセンサーをいかに磨き続けるかが大事なのであって。それが尖り過ぎて辛かったり、鈍ったように感じられて寂しくなったり。
もっと若かった頃のようにただひたすら尖っているものを求めるのはもう違うと思うんだ。だから優しい歌が聴きたい。