出演者

目当てに映画館に足を運ぶ。
『死ガ二人ヲワカツマデ 第一章』
以下はネタバレ。
殺し屋の主人公と、その主人公の雇い主の異母妹との恋。それをとりまく人間達のきな臭い野望諸々。
感情表現の著しく乏しい主人公のお相手だから、確かに世話焼きタイプのように、相手の心に思い切り入っていこうとするある種の図々しさが必要だろうとは思うけれど、映画の描写だけだと単なる押し掛け女房としか見えない。もしかしたら主人公が大けがをして目を覚ました時のやりとりで二人の心が通い合ったという風に見せたかったのかもしれないけれど、その場面以前ではそういう場面が無かったので2人が恋人同士というような扱いはなんだか唐突な感じがした。
主人公の雇い主と、その仲間の恋人同士。彼らの野望、またなぜ仲間割れを起こしたのか、なぜ主人公を殺そうと狙うのか、そういった部分の細かい描写が抜けていて、結局自滅していっただけという感想。
かつて生まれ育ったところを離れてまで捨て去りたかった過去とは?叶えたかった野望は?
1回観ただけなので拾いきれなかった感情や場面の意味もあるかもしれないけれど、深読みしたいけれど材料がないなという印象。
あの場面でキリショーともう1つのバンドのメンバーと思わしき人物が横切る演出も、単なる遊び心なのかもしれないけれど、シリアスなあの場面でのああいうやり方ではなくもう少し違う入れ方が出来たらクスリと笑えたかもしれない。
殺し屋がごろごろで役作りがしにくい部分もあったかもしれないけれど、全体的に漫画みたいなキャラの作りにも思えた。そういう中で上原歩の演技が臭くなりすぎず、その絶妙感がすごいと思った(ベテラン俳優陣は安定の演技)
出演者目当てだったのでこんなものかなと思ったけれど、ストーリー重視で見に行っていたら、物足りない映画だなと辛口感想。