書評

この間買った本がわりと自分の中にすんなり入ってきておもしろかったので。

もともとはコフートの甘え理論から著者の名前を聞き、甘えについての本を読んだことがきっかけだった。
アメリカ留学経験を持つ著者は、かつての(ここ強調)アメリカの政策をそのままいこうとする日本に危惧を抱いている。金融やITで経済に勝とうとすること、格差社会を生み出そうとしていること、拝金主義になろうとしていること、選択性によるゆとり教育を取り入れたこと、デフレ経済に走ったこと。
なぜ、徹底的に勉強させて教育の底上げを図る必要があるのか、なぜ外国製品よりも自国製品を買うべきなのか、なぜ拝金主義ではいけないのか、なぜ日本で金融・ITで経済は成功しないだろうと考えるのか、なぜ格差社会はいけないのか。それらの問いに対する答えが非常に分かりやすく書いてある。
ちなみにゆとり教育というような政策を先進諸国で行っているのは日本だけで(それももう元の学習量に戻りつつあるようだけれど)、アメリカでも今では、おちこぼれを作らない徹底した教育主義に変わっている。(学校の教育だけに限らずとも)なぜ勉強することが大事なのかしみじみ実感するし、それを知らずに教育されないこと、教育されることを自ら放棄することの恐ろしさも感じる。