その

胡散臭そうなタイトルとは裏腹に、内容はファンタジーな要素も交わり思いのほか面白かった。

ファンタジーを感じたのは、昔持っていた樹なつみの『八雲立つ』の漫画を思い出したからだという理由がとても大きいのだろうが。
日本の神話や宗教を語る中に、その漫画で語られた内容が非常によく出てきて、たとえば元々性に対して大らかで、そのような祭りをしていたという話で、実際に漫画の中で神を呼ぶという神事で性的交わりを持つという箇所が出てきたり、漫画の舞台となった出雲がイコール黄泉の国だという話も両方ともに出てきた。このような楽しみ方がまさか出来るとは思わなかった。逆に言えば、それだけ漫画のほうも噛み砕いたり作者なりの解釈を加えているとはいえ、きちんと文献の内容を活かしつつの話だったのだと、改めて作者の力量を感じる。