仕事

終わりに下北沢。
いつもならば駅を降りてまっすぐ店のほうへ向かうところを、今日は散歩しながら歩いた。
これからおそらく人と待ち合わせて飲みにいくのであろう人々を横目に、ごちゃごちゃした街を歩いた。大衆居酒屋が独特の下北らしい雰囲気を漂わせながら営業していた。ちっこいカフェもあった。きっと店主の希望が詰まった店なんだろうなと思ったら、その夢を実現させた、またさせたくなるこの地。というか今私が目にしている店自体とか、そういうものが妙にいとおしく思えた。
いつもの店に行き、いつものようにカウンターの席に腰を落ち着けた。奥のほうに見たことのある顔がいる。名前は知らないけど、写真で見たあの人だろうななんてこと考えながら。
馴染みの好きな料理に舌鼓を打ち、スタッフとまた喋りつつ。顔なじみの常連さんたちと少し話したりしつつ、本を読み、店の漫画を読み。
以前に1度だけ顔をあわせたことのある常連さんが来ていて、カウンターに座っている私を見て「こいつ知っている」と思いっきり言った。もう半年も経つのによく顔・雰囲気を覚えていたものだと感心してしまった。そのときにお酒をおごってもらったので、お返しにと私のボトルキープの焼酎を1杯ロックであげたら、3分の2くらい残っていた5合瓶の焼酎は見事にからっぽになってしまった。何時間もかけて飲んでいたので意識としての酔いは比較的軽めで、翌日仕事だからとなんとか山手線の最寄り駅までたどり着き、終電を終えたローカル線残りの道のりを40分かけて歩いて帰った。