実家

の冷蔵庫に入っていた袋一杯のちりめんぢゃこ。その肢体をねじって積み重なるだけ積み重なった姿が妙に生々しい描写に思えてきた。
「だーいぎゃーくさーつ、だーいぎゃーくさーつ」と無表情でリズムを取る私の声を聞いた母が、確かにそうだわと笑った。そして、そうやって人間はたくさんの命を頂いているのよ、と後で言葉を付け加えた。
その後でそういえば金子みすずの詩があったな、と思い出した。
浜では大漁だ大漁だと人間の大賑わい。でも海ではたくさんのお弔いだって。
死というものの角度をちょっと変えてみただけなんだよ。
3億のうちの2個。あとは食べられたりするんだ。