たちが常識だと思っていたことはたかだかここ数年、そう10年20年の話だったんだっていうことがわかる。
強烈な自己と他者を切り分ける意識はたかだか何百年か前に意識され出したこと。私たちと別次元の考え方、習慣というものはいくらでもある。もっともそれらは強烈な競争意識で潰されそうになって息も絶え絶えだったりするけれど。
そういえば私が小さかった頃、そう20年前には残っていたあの昭和の空気は、最近は感じられないかもしれないな。他者への寛容、子供大好きだという日本人の特質。小さい私は街のあちこちでそういう親切を受けて上機嫌だった。
不寛容だとかそういうことが取りざたされて久しい。そういうものかもなって受け入れつつあったけれど、それは今までの習慣とは違うんだって。
満たされた愛情はこぼれ出して、他者へと流れ流れて、皆が幸福になるもの。けれど今は、受けた傷の癒し方もわからず、同じ傷をつけ合っているような気がする。
それが私たちの今の姿なんだって、あきらめているのを見ると、違う、本当は違うんだよって言いたい。
歴史を冷静な目で見つめ、知ることはアイデンティティ形成になる。人の営みを感情の流れを知ることは、人と接する上で重要な役割を果たす。
ほらそうすれば、今の価値の尺度で昔の物事を判断するのがバカらしいということに気づくでしょう?