ここ

最近は欲がすとんと減った。表現というものにあれほど焦がれていたのに。
秋の入り口、荷物をたくさん背負い過ぎているような感覚にさいなまれ、物理的な側面から片付けることにした。手放したい衝動は強くて、何もかも捨てたい気分で。
「後悔するんじゃないかしら?」と言われたこと。けれどそこで後悔するのならば、それは私にとって核となるべき大事なものと再認識できるのだと、強がりだかなんだか。
日々を重ねるたび。仲間と過ごす時間が蓄積される。その辺りに転がっている情報への興味が無くなる。家での音楽は静かなものを好む。踊るのが好きなのは相変わらず。
気付かされることも増える。
私の心の奥底にある感情は悲しみなのだと伝える人がいる。
取り繕うとしていた表面、築いていた壁をはずしてみようかと思う。そんなことを思っていたら表現者の友人も同じようなことを言う。
他人に感じる嫌な感情は、自分の後ろめたさかもしれない。
時間が欲しい。経験が欲しい。旅がしたい。自分の使命を指し示してくれるコンパスが欲しい。
今私がしている仕事が私に向いていたとしても、わずかに感じることの物足りなさの源はおそらく、自分の足で立っている感覚の少なさ。意思決定。
自分の心の声をしっかり聴きたい。