「この

世の中すべては結局愛で出来ていて、それを各々の形、手段で表現しているんだよ」
色んな人から言われた言葉だけれど、分かったような気分でもあり、なんとなくまだ自分の中で腑に落ちていない。
「何気ないことなのに涙が出そうなほどの感情に襲われるのは、自分がもうすでにそのことを記憶しているから」
話を一通りして反芻して、少しだけ納得した。
温かい優しいといった感情の表現でなく、刺々しい気分になるのも愛を求めるがゆえなのか、と。どちらの局面から見ているか、ただそういうことなのだろう。
全てが愛の表現なら、どういう言葉を使って紡ぎだすだろう。その同じことを。
たどる道筋が違い過ぎて許せないこともあって、それを憎むことも許すことも。
すべてはただその手の内の中。