ドライブ

好きな両親、特に若い頃ふらりと旅に出る事が好きだったという父に似ているのかもしれない。
ここ最近の状況の自分に旅を許すのは贅沢ではないかとも思ったけれど、相棒のカメラをぶら下げてただただひたすら歩き回るのは、人の中にずっといて妙に気疲れしている時には良い気分転換。
1人の時ほど安い宿に。
近所にあると言われて行った銭湯は、数年前に仲間らと連れ立って来た海水浴の帰りに寄った場所。
縁は異なもの味なもの。熱めの湯船で暖まり、ワインとおつまみを買って帰る。夜は片言の英語混じりで。
梅の花の咲き始め、牡丹は見頃らしい。
なるべく人混みからややずれた場所へ。
カメラに収まるのは風景が多数。
けもの道のような場所を無理矢理歩いてみる。誰もいない。
今の風景、過去、未来。そこにある思想はなんだろう。
真実、夢、物語。どこまで語り継がれて行くのだろう。
時には断絶し、掘り起こされて、修復されて。
人は物語を求め、好むから。