昔に孔子は言った。「衣食足りて礼節を知る」
そういった礼節を重んじる国だと、江戸時代の漢学者たちは当時の清なんかに憧れを持ったけれど、その実儒教の教えは日本のほうがよっぽど実践されている、なんて皮肉を言った人がいた。実践されないから理想として声高に掲げられるのだと。それがいつまでも声高にある限りはそれは達成されていない、目標のままのもの。
その話を読んだとき、ふぅんと私は思った。日本人にもかなり馴染みが深く、儒学関係の第一人者として重んじられている孔子の教えもそう一蹴してしまえるものなんだって。
松下幸之助の本を読んで改めてこの言葉に出会ったせいか、少しこの言葉の意味というか価値みたいなものを考えている。
昨今の少年犯罪は実は減少しているのは、テレビで言われない事実。自分の肌身感覚で言えば、バイトなんかをしていたときのお客さん、すぐにキレだすのは実は若者ではなくておじさんらのほうだった。
1番犯罪が多かったのは、戦後すぐだというデータを出していた人がいたっけ。
経済的に豊かになってきたら、変に迷信や宗教や差別に固執しなくてもよくなった、ようなそういう話を聞いたりすると。
冒頭の孔子の言葉の重さを感じる。
生き易さに繋がるのなら、ガツガツの上昇志向までいかなくてもよいけれど、やはり豊かに暮らすことは大事なのだなぁと。